「Webライターになりたい!」と思ったとき、どういう方法があるでしょうか?
まず本を読んで勉強しようとする方も多いと思いますが、勉強するための本を選ぶためには「コツ」が必要です。
この記事でWebライターになるための本の選び方のコツと、おすすめの本をご紹介します。お役に立てれば幸いです。
Webライティング勉強本の選び方のコツ
Webライティングなど、新しいやり方・知識を勉強するための本については、何度も繰り返し読んでください。1回通して読んだだけでは、実際に身につきません。
勉強するための本は、自宅でも、職場でも、カフェでも、持ち運んで「何度も繰り返し読める」「繰り返し読んで学びがある」ようなものを選びましょう。
そして、繰り返し読んで、勉強に使う必要がある本は、電子書籍・紙を選べるのであれば、紙の本で買いましょう。なぜならば、本を読んで学んだことを自分に定着させて、身につけるには、「読む」「書く」「身体を動かす」など、いくつかの動作を組み合わせるのが効果的だからです。ご自身にWebライティングの知識をしっかり定着させるためにも、できる限り、紙の本で買ってください。
一方、電子書籍にもメリットがあります。紙と比べて出版までのスピードが速いので、Webライターとして仕事をするうえで必要になる、記事に人を集める方法の「トレンド」や「ノウハウ」をおさえるのに非常に有利です。ただ、画面上で「読むだけ」では知識は定着しないので、紙とペンを持ってその電子書籍で書いていることを整理したり、ワークに取り組んでみたりするなど、必ず「読む」以外の行動と合わせて取り組むようにしてください。
続いて、本の選び方のコツについてお話します。
手元においたり、持ち歩けたりできるサイズか?
辞典や辞書などの分厚い大きな本って、本を開けたり運んだりするのが億劫になりませんか?本のサイズが重要な理由は、本のサイズが大きすぎたり、ページが多くて重すぎたりすると次第に読まなくなるからです。
参考として、SEOライティングの定番書籍と言われている『沈黙のWebライティング』のサイズ・ページ数を見てみましょう。
サイズ: 21 x 14.8 x 3.2 cm(A5判)
ページ数:632ページ
この情報からわかる通り、A5判の版型かつ、ページも厚いですね。A5はA4の紙を長い辺で2つ折りにした時のサイズです。なお、2020年に販売された同書のアップデート版は版型の変更はないものの、496ページと100ページ以上薄くなっていますが、それでもまだ厚い本です。
『沈黙のWebライティング』の中身については、マンガ・キャラクターの掛け合い仕立てにすることで、難しい内容(Webマーケティングで重要なポイント)を分かりやすく伝える努力をしていて、内容は良いものです。ただ、「最初に買うべき」ではないと思います。
持ち歩くことを考えると、下記くらいのサイズの本を選ぶのがお勧めです。
・200ページ台
・B6判くらい
中身が具体的であること
「在宅で好きな時に働ける!」「あなたも稼げる!」というような煽りしかなく、Webライターの仕事を始めるうえで具体的な方法や注意点が書かれていない本も避けましょう。
このような中身が具体的でない本はKindle Unlimitedに多く散らばっているのですが、実際の書名を一つ一つ紹介するのは先方も私もお互いに不幸になるので控えます。
中身の文章がわかりやすいこと
そして、初めて勉強するための本を選ぶうえで最も重要なのは、「文章がわかりやすい」ことです。文章をひとつひとつ解読しようとしなくても内容が頭に入ってきやすい、身近でわかりやすい表現を使った本がおすすめです。
難しめの表現の本について例を挙げると、私自身『日本語の作文技術』はとても良い本だと思いますし、いつか読んでいただきたい本でもあります。
しかし、この本は初版が1976年と相応に古いので、出てくる日本語表現を少し堅いと感じる方もいるでしょう。初版の頃にはインターネットが存在していないので、インターネットで読まれやすい文章については特に考慮されていません。
したがって、「すぐにWeb記事の書き方に活かしたい!」というWebライティング初心者の方には向いていないと思います。
最初に「Webの文章の書き方」を学びましょう
では、最初に本で「学ぶべき」内容とは何でしょうか?
Webライターになるためには最低限、下記2つについて学びましょう。
・「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方
・Webライターとしての仕事の取り方
「Web・インターネットで読まれやすい」文章は、学校の国語の授業で学ぶ「作文」とは違う面もあります。先に「Web・インターネットで読まれやすい」文章について考え方を学んだうえで、Webライターとしての仕事の取り方を学んで、実際に仕事を取ってみましょう。
そうすることで、スムーズにWebライターの仕事に入っていけるようになります。
Webライター本を形式・内容で比較してみます!
ここからは、先ほどお伝えした下記のチェックポイントをもとに、実際のWebライター本について比較・説明していきます。
<形式面>
・手元においておけるサイズか
├200ページくらい
└B6判くらい
・中身が具体的か
・中身の文章がわかりやすいか
<内容面>
・「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方
・Webライターとしての仕事の取り方
今回はこの3つの本を取り上げます。
・『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
・『今すぐ始められるWebライターの入門書【副業OK】:未経験から在宅で月20万円を稼ぐ方法』
・『未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方』
『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
Webメディア「ナタリー」の運営元・株式会社ナターシャに記者として入社した方向けの研修資料を本にまとめたものです。
手元においておけるサイズか
ページ数は「208ページ」と、条件に合っていますし、版型もB6変形判(8mmほど縦が長い)なので、手元に置きやすい本です。
中身が具体的か
例文をたくさん挙げて説明したり、ツールの使い方の説明があったりと、具体例が非常に多くなっています。
ただし、ナタリーは音楽・コミック・お笑い・映画などのポップカルチャーを主に扱うメディアです。また、本書はナタリーの研修資料でもあるため、例文やその説明もそれらのアーティスト名・固有名詞を大まかにでも知っていることを前提に話が進みます。
マンガ・アニメ・音楽などのポップカルチャーへの知識が全くない場合、固有名詞を毎回調べる必要が出てくるので読み進めにくいでしょう。
中身の文章がわかりやすいか
ポップカルチャーへの知識が一定程度ある場合は、そこまで難しいことを考えずに読めるので、わかりやすいと思います。
また、適度に枠線や図表・太字を入れてくれるので、集中していなくても重要な点が頭に入りやすい作りです。
「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方の説明があるか
この本自体が「Web上で完読される文章」を目指す本のため、Webの記事で「最後まで読まれる」ための書き方のコツが満載でした。
初心者の方の場合、文章を書く前に本書で登場する「構成シート」を実際に作るのをおすすめします。A4の紙に書いていくだけのシンプルなものですが、シンプルゆえに馴染むと早く書けるようになり、構成を作るスピードも上がると感じました。
ただし、取材記事の書き方や、文章中でのデータの扱い方までは立ち入っていません。本当に純粋に「Web文章の書き方」を知りたい人向けだと感じました。
Web記事の構成に迷ったときや、読み返して悩んだ時に辞書のように使うのがおすすめです。
Webライターとしての仕事の取り方の説明があるか
「ナターシャに入社した人向けの研修資料」なので、Webライターとしての仕事の取り方についてはほとんど説明がありません。良い本といっても、入門に必要な点が全部網羅できているわけではない点、注意が必要です。
『今すぐ始められるWebライターの入門書【副業OK】:未経験から在宅で月20万円を稼ぐ方法』
夫婦でWebライターとして生計を立てている方の書籍です。
手元においておけるサイズか
もともと、電子書籍以外のバージョンがありません。ページ数は「86ページ」と非常にコンパクトです。
中身が具体的か
抽象的な話が多く、説明も序盤で終わるので、なんとなく「やれそう」という印象しか残りません。具体的にどう動いたらいいのかについてはふんわりしています。
しかし、収入例といったお金の面の情報は比較的多いので「やる気を出す」ためだけに使うなら、価格も安い(単体で250円で買えます)ので、損した気持ちにはならないと思います。
中身の文章がわかりやすいか
とにかく文章はわかりやすいです。「わかりやすい」ということを体感するのに丁度よいと思います。
「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方の説明があるか
SEO(サーチエンジン最適化)・PREP法(論理的な文章を書くためのツールの一つ)については簡単に説明をしていますが、「読まれやすい文章」についての説明はほとんどありません。
PREP法については、ひとつのツールとして割り切ることができればいいのですが、「うまくあてはめられない」「とりあえず当てはめてみたけれど文章として変」など、実際に初心者の方が使う際にはいくつかのハードルがあります。単にツールの説明をするだけでは、初心者の方に寄り添った内容ではないと思います。
Webライターとしての仕事の取り方の説明があるか
「とりあえずクラウドソーシングを使いましょう」「ポートフォリオを作りましょう」以上の説明は基本的にありません。
最近は特に、クラウドソーシングに参入する方の数も増加傾向にあるようです。
クラウドソーシングも以前ほど、「頑張れば稼げる」という世界ではないので、入り方にも戦略が求められます。その現状の説明と、対策を用意していない時点であまりお勧めできません。
『未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方』
ライティングコミュニティ「SP-ACE」に有料講座を提供いただいている藤原将さんの著書です。「読み物としてのKindleではなく、実際に手を動かしていただくワーク形式になっており、より生活に取り入れやすい副業ノウハウを目指しています。」という説明通り、1日1つのワークを実行する構成になっています。
手元においておけるサイズか
こちらも電子書籍限定です。ページ数は174ページと読み応えがあります。
中身が具体的か
1日1つずつ課題が示されているのが非常によいと思います。「Webライティングについて何もわからない人」がとりあえず始める指針になりますし、読み流さず「実際に手を動かして」見る方が学びになるからです。毎日1つずつ、21個=3週間しっかり取り組んだら、Webライターとしての出発点に立てるでしょう。
また、1日1つの課題も、本業を抱えながら「副業」する前提なので、ボリュームも控えめです。「こんなにたくさんのこと、できなさそう……」とは思わずに「まずやってみようか」と少しずつ取り組みやすい内容になっています。
中身の文章がわかりやすいか
わかりやすいだけでなく、言葉の選び方が丁寧で、著者の誠実な人柄が伺えます。
個人的にはこの本全体の写経もおすすめです。わかりやすさと誠実さが両立した言い回しを身につけるための、ひとつの方法になるでしょう。
「言葉の選び方が丁寧」な具体例を挙げると、この本では藤原さんが個別指導している方について「支援している」という表現が登場します。
通常、他の著者が同じようなことを表現する際、「コンサルしている」という言い回しになるのですが、このような横文字の「カッコつけ」を避けて、実際に近く控えめな日本語として表現しているところが素晴らしいです。
「支援している」という表現が本書に出てくるのは2箇所しかなく、一見すると見逃してしまうような細かい点です。しかし、こういう細かいところにこそ書き手の本音・考えていることが現れやすいので、ひとりの書き手として見習うべき姿勢でしょう。
「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方
文章を書く具体的なテクニックについても書かれているのですが、それ以上に、「必要な心構え」を示している分量が多くなっています。
もちろん、中級者以上にステップアップするには「心構え」をしっかり身につける必要があるので大事なのですが、最初のうちは徹底的に具体的なテクニックを覚えた方が理解が進みやすいです。この点は『ナタリー式』に軍配が上がります。
Webライターとしての仕事の取り方
一方で、Webライターとしての仕事の取り方については、『ナタリー式』よりも『「書く副業」のはじめ方』のほうが詳しいです。「初心者が再現性高くやりやすい方法」としてクラウドソーシングについて説明していますが、プロフィールの作り方、営業メール・提案文の書き方が本質を突いているので、他の場所で仕事を取るときにも非常に参考になる品質です。
いい例・悪い例も具体的に挙げているので、比較しやすくなっています。
結論:Webライターになろうと思い立ったらまずは良い本2冊があれば十分
Webライターを初めて目指す方の場合は、『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』と『未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方』の2冊があれば十分だと思います。この2冊を繰り返し読んで実践すれば、Webライターになるために必要な最低限の知識は十分に得られます。
・「Web・インターネットで読まれやすい文章」の書き方
・Webライターとしての仕事の取り方
「もっと他に本はないの?」と感じた方もいらっしゃると思いますが、本が多すぎると学びが中途半端になり、「どれも十分に学べない」状態になってしまいます。ことわざでいうところの「あぶはち取らず」ってやつですね。
特に、実用書の場合は「いい本をボロボロになるまで使い切る」のがおすすめです。
また、『未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方』については、ワークをしっかりやったけれど成果が出ない方のためのサポートも付いています。この手の本では類を見ない、大変親切な仕組みだと思います。
ただ、サポートの詳細はここでは明かしません。本を買ってご確認くださいね!
ライター勉強会コミュニティ「SP-ACE(スペース)」では、藤原将さんの有料動画講座もご提供しています。ぜひSP-ACEもチェックしてみてください!(購入方法詳細はSP-ACE申し込み後、お送りするメールにてご案内しています)