クラウドソーシングの一つ「ランサーズ」。副業されている方やフリーランスが多く登録するサイトです。
ランサーズで仕事を取るためには、まずプロフィールを整えることが大切。依頼が来やすい・提案が通りやすいプロフィールの書き方については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
そしてプロフィールと同じくらい重要なのが、クライアントから直接相談メッセージをいただいたときの対応です。
今回は、ランサーズ上でクライアントから個別メッセージで相談されたときの対応について解説します。
ランサーズの「相談」は千載一遇のチャンス
ランサーズで仕事をいただく方法は、次の2つに大別されます。
- プロジェクトに応募する
- 相談いただいて直接依頼をいただく
要は、こちらから応募するかスカウトされるかのいずれか。ご相談をいただいたということは「2」までもう少しということですね。
相談への対応次第で「やっぱりこの人に決めた!」となのるか「うーん。思ってたんと違う。」となるのかが決まります。業務の片手前に、無愛想な返信をしては絶対にいけません。相談は、千載一遇のチャンスだと思いましょう。
まずは相手の相談内容を観察
ご相談いただいたメッセージは、隅から隅までくまなく見るようにしましょう。
亀梨様
初めまして。㈱ランサーズ住宅販売の山田太郎と申します。
弊社は、住まいの仲介をおこなう会社です。
この度、弊社HPにSEO対策のため住まいに関する「相続」「法律」「税制」などのコンテンツを設けることとなりました。亀梨様のプロフィールを見てぜひ相談させていただければと思っております。
たとえば、このようなご相談が来たとします。この相談に対して、すぐさま「対応可能です!単価5円でお願いします!」なんて簡単な返事をしてはいけません。
まずは、相談内容をじっくり読み解いていきましょう。
短いメッセージですが、ここには非常に多くの情報があります。
- 社名
- ご担当者の名前
- 事業内容
- 目的
- コンテンツ内容
- 自分のプロフィールを見てくれた
ざっとこんな感じですね。
はじめのうちは、いただいたメッセージから読み解ける内容をメモするのもいいかもしれません。メモして整理することで、相談者が自分に相談した目的や要望が見えやすくなるからです。
まだ返信しちゃダメ!続いて「リサーチ」
この時点では、まだ返信文は考えません。続いて、いただいた内容をもとにリサーチをします。
先程の事例では「社名」や「担当者のお名前」がありましたよね。これらの情報を開示しないランサーズ上でご相談いただく場合もありますが、いただいた内容からさらに調べられることがあるのなら必ず調べてから返信するようにしましょう。
社名がわかれば、コーポレートサイトや該当のオウンドメディアを見つけられるはずです。また、担当者のお名前がわかれば、社長さんや役員さんであったとすれば役職まで把握できる可能性があります。
簡易なメッセージをもらった場合
とはいえ……とはいえです。
ほとんど情報を開示してもらえずにご相談いただくことも、ランサーズでは少なくありません。
社名もわからない。ジャンルもわからない。自分以外の人にも大勢の方に送っているかもしれない。……このような相談が来た場合には「聞く」ことを恐れずにしてみると良いと思います。
ライターさんとお話させていただく中で多いのが、割とこの「聞く」が失礼にあたるのではないかと考えている方。たしかに、聞くことで相手の時間を取らせてしまうことはあるでしょう。
しかし、相手の状況も、要望もわからない中では、相談に対して回答しようがありませんよね。
- どのようなジャンルをお考えですか?
- 今のメディアの状況はいかがでしょうか?
- どれくらいの頻度での納品をご希望でしょうか?
むしろ、このような具体的な質問をしてくるライターさんは「お、こちらのこと気遣ってくれている」「知ろうとしてくれている」と、好印象を与えるものです。
返信する前に……自分が知りたい内容を整理しよう
ランサーズを約5年使ってきた私の経験則ですが、相談いただいた時点でこちらの知りたい情報がすべて把握できることはほとんどありません。
亀梨様
初めまして。㈱ランサーズ住宅販売の山田太郎と申します。
弊社は、住まいの仲介をおこなう会社です。
この度、弊社HPにSEO対策のため住まいに関する「相続」「法律」「税制」などのコンテンツを設けることとなりました。亀梨様のプロフィールを見てぜひ相談させていただければと思っております。
冒頭で挙げた、こちらの事例。これはけっこう、色々書いていただいているほうです。しかしながら「相談したい」とはいっているものの、執筆を依頼したいのか?マーケティングなのか?サイト構築なのか?は定かではありません。
ランサーズでいただく相談の多くは、非常に“ふんわり”したもの。とくに実績の少ない方への相談は、その傾向が強いといえまうす。
メッセージのやり取りを通し、双方が意向や能力を探っていって最終的に依頼となります。ですからまずは「相談」の先の「依頼」につなげるまでに、双方で合意しておくべき内容を整理しておくようにしましょう。
作業内容
当然ですが、ご依頼いただくには「作業内容」を双方で合意しなければなりません。
ランサーズ上の取引では、業務委託契約書を交わすほうが珍しいです。そのため、メッセージの中で具体的な作業内容の認識を双方で確実に一致させる必要があります。
ライターとクライアント間で曖昧になりがちな業務内容は、以下の通りです。
- 執筆後の入稿も業務に含まれる?
- 文字装飾する?しない?
- 画像選定も必要?
執筆だけでいいのか、あるいはその他の付帯業務もあるのかは、必ず明確にしておきたいポイントです。
納品頻度
「納期」についての認識もまた、双方で必ず合わせておきたいポイントです。
ランサーズではプロジェクトの完了日を設定しますが、この日時が納期とは限りません。中には、納期とは別に最終稿の納品希望日を完了日とするクライアントもいらっしゃいます。
- 初稿はいつまでにあげればいいのか?
- 修正対応があればそれはいつまでにもらえていつまでに修正校をあげればいいのか?
この点も確認しておきましょう。
単価
そして「単価」ですね。こちらも、クライアントとの認識がずれやすいポイントです。
- 文字数はどれくらい?超過してもいい?
- 記事単価なのか文字単価なのか?(既定の文字数を超過した場合の清算は?)
- 付帯業務は記事報酬に含まれるのか?別途なのか?
弊社運営のライターコミュニティ「SP-ACE」でも『見積もりってどうやって出せばいいの?』というご質問をよくいただきます。
なかなか難しい質問なのですが、確実にいえるのはライターの相場はあってないようなもの。「どれくらいの単価でご提案しよう?」という悩みはつきないかと思いますが、市場を知り、自分を知り、そしてクライアントのご予算を知ってご提案するといいと思います。
ランサーズの相談に対する初回の回答は「復唱」と「PR」に留めるべき
ここまで「相談」から「依頼」までにクライアントとランサー間で認識を合わせておくべきポイントを挙げましたが、実はご相談に対する最初の回答でこのすべての認識を合わせようとはしないほうが賢明です。
というのも、クライアントはまだあなたに「依頼」を決めていない「相談」段階。この時点でクライアントは、単価はどうします?週一の納品でいいですか?文字数超過したときの清算は……という話をしたいわけではありません。
まずクライアントが知りたいのは、以下のことです。
- 対応可能なのか?
- 貢献してくれる人材なのか?
- そもそも、ちゃんとした人なのか?
ランサーズは非常に素晴らしいサービスですが、やはり登録されている方すべてがクライアントの相談をしっかり理解でき、なおかつクライアントにとって期待できる人材とは限りません。
つまり、クライアントは期待半分、不安半分でランサーに相談をしているわけです。その「不安」をまず解消しつつ「期待」をより増幅させる回答こそが、初回の返信には合っていると私は考えます。
相談内容を復唱する
初回の返信はとくに、相談内容を復唱しつつ話を進めていくと良いと思います。
亀梨様
初めまして。㈱ランサーズ住宅販売の山田太郎と申します。
弊社は、住まいの仲介をおこなう会社です。
この度、弊社HPにSEO対策のため住まいに関する「相続」「法律」「税制」などのコンテンツを設けることとなりました。亀梨様のプロフィールを見てぜひ相談させていただければと思っております。
この相談に対して、以下のような文言を加えながら回答していくのです。
- 仲介会社様でいらっしゃるんですね。
- SEO対策のため、相続や法律、税制など専門性の高いコンテンツをご所望とのこと。
難しいことではありませんよね。しかし、これだけで「あなたの相談をしっかり見ているよ」「理解しているよ」というアピールになります。
先ほども申し上げた通り、相談内容を理解できない、しっかり見てくれないランサーも少なからずいます。そんな中「しっかり相談内容を把握してくれた上で返信してくれる」これだけで、プラス評価となります。
2.自然な形で自分をアピール
初回の返信の中では、やはり自分をアピールすることも大切です。
相談してくれたからといって、必ずしもあなたのプロフィールを見てくれているとは限りません。ですから、復唱の中にも、自分の実績やアピールになることはどんどん入れていきましょう。
「仲介会社様でいらっしゃるんですね。私も5年ほど仲介会社に勤めておりました。」
「SEO対策のため相続や法律、税制の記事をご所望とのこと。最近では空き家問題や相続対策に関する不動産記事のご依頼が多くありますので、こちら私の得意とするところでございます。上位表示記事も多数あります。」
たとえば、こんな感じ。私は初回の返信の最後には、必ずポートフォリオを入れるようにしています。
ここでもちょっとした気配りをして、ポートフォリオをどーんと張り付けるだけでなく、クライアントが興味ありそうな記事をピックアップしてあげるとより良いでしょう。
今回の例であれば、相続、法律、税制の記事があればポートフォリオの中から引き抜いて、「こちら該当ジャンルで私が執筆した記事です」と添えてあげると親切であり、高評価にもつながります。
ランサーズの「相談」を「依頼」へつなぐ対応を
クライアントの「相談」を確実に「依頼」につなげられれば、営業することなく仕事をいただくことができます。しかし「営業いらず」とはいえ、適切な対応力は必要です。
弊社運営のライター勉強会コミュニティ「SP-ACE(スペース)」では、『ランサーズでこんな相談を受けたのだけど、どうすればいい?』とく具体的なご質問にも回答させていただいております。ぜひSP-ACEもチェックしてみてくださいね!